ひとりの朝
朝だった
目覚めたら
いつの間にか朝だった。
そして
彼は横にいなかった。
シャワールームでもなく
洗面でもない
この部屋には……いない。
見事に…静寂だった。
そして…肌が…微妙に寒かった。
昨夜はあんなに愛で熱かったのに
体を動かしたら
お尻とかに…チクん…ってした。
ん?
見たら金色に光ってる?
あああ…そっか…
それは
開封されゴミ箱に入れ忘れた避妊具のパケージだった。
そして使用済みのティッシュも
お尻にいくつか……あった。
シーツも毛布も
全て床に散乱してた。
激しかった昨夜の嵐が去った後のよう。
彼は…たぶん
夜明け前にベッドを抜け出し
シャワーを浴びて
コロンをつけてあたしの存在を消しながら
シャツを着てネクタイを締めて
そして…
忍び足で部屋を出ていったんんだ。
せめて
裸の体にシーツくらいかけて欲しかった。
昨夜あんなに愛してくれたんだから
でも…やっぱり……
彼にとってあたしは…
所詮は彼女でもなく…愛人でもない
ただの制欲処理の女だ。
彼は今頃…
愛する奥さんと
子供の待つ家に向かってるはず。
だってお土産の手提げ持ってたもん!
悲しくはない
いつものことだ。
そして……また
彼があたしを欲しくなったら
あたしのケータイが鳴るんだ。
そして
「どう?今夜」
こんな短い言葉に嬉しくなって
学習しないバカなOL女は
定時前のトイレでのメイクも余念がない。
お酒を飲んで
ホテルに入って愛し合い
そして…また
ひとりぼっちの朝を迎える。
あたしは……
彼の余韻を消したくないから
シャワーは浴びずに脱がされたランジェリーをつける
そして…一人でホテルの部屋を出る。
いつも同じ繰り返し
あたしから告げない限り
永遠に繰り返される
エンドレスな愛のない逢瀬とSEX
そして…Morning alone
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Dream sex essay“Lewd wind”manager-K*231103-2*