With Siu-01
〜シウの存在〜
シウは幼馴染で
いつも一緒でどこへ行くにも一緒。
一緒じゃないことが不思議なくらい一緒だった。
大切な友達で兄弟以上兄弟未満の親友だった。
あの冬の…あの夜までは……
そんなシウとの話は数え切れないけれど
今も記憶に残って消えない記憶を
秘密なエピソードとして綴って行こう
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森に囲まれたような田舎の農村地帯だったから
ボクは…というか
同じ世代の近所の子供も保育園や幼稚園を知らなかったし
いったこともなかった。
たぶん…村全体も貧しかった筈だ。
貧しかったけれどみんな貧しいから貧しさを感じなかったんだ。
僕は栄養出張だったのか?よく覚えてないけれど
小学校に上がる前に医者の検診を受けた時
目が人よりも大きくて母親が心配して先生に聞いていたのを覚えてる。
でも…先生は問題ないと言っていたことも。
教科書とか一式をもって帰ってきて
そのままにしてたら
「ちゃんと教材の用意したのか?」と母親に注意された。
ずっと生まれてから家にいたから学校に行くという感覚がない。
「Kさんとこのシウちゃんはちゃんと用意してあるらしいよ」
「シウちゃん?」
名前を聞いたことがあるけれどよくわからない。
すぐ近所の鈴木さんちの兄弟は知っていたけど……
その時はシウを知らなかった。
まてよ?
ボクはシウとはいつ知り合って仲良くなっていたんだろう?

でも…この頃の僕は考え方が異次元だった。
この世は僕だけの世界で回っていて
僕が目が覚めれば家族も友達も動き出し陽が昇り
沈んで僕が眠れば全てが眠る…という
変な考えを持っていたんだ。
でも…ある日僕は木から落ちて
死ぬほど痛みを感じた時。
あああ…この世界は僕の世界じゃなくって
みんなの世界で僕はその中の一人なんだと悟ったんだ。
そしたら
その時シウは僕のための僕の世界の人じゃなく
シウという世界のシウなんだと確信して
それからシウを改めて再認識し理解したような気がする。
それから
時を経ていつのまにか
ほんとうに…いつのまにか
僕とシウは仲良くなっていて
春夏秋冬しょっちゅう一緒に野山をかけめぐり
台風で荒れ狂う森の中での隠れんぼとか
秘密基地を作ったり
彼のメジロ捕りを見せてもらったり
松の木の上に寝床を作ったり
数えきれないくらいに遊び回っていたんだ。
もはや僕の暮らしや人生で
シウは不可欠で僕と一緒にいることがあたりまえに感じてた。
シウというかけがえのない存在を。
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