Dreaming stephanie
湘南の海辺のカフェBARに
優しい午後の朝の陽差しが降り注いでた。
でも…太陽は眩しくて見えない。
海にはサーファーたちがサーフボードに股がって
波間に揺れながら漂ってる。
最初はそんな中のひとりの
金髪な女性サーファーが気になってた。
其の彼女は早い時間からボードを持って
海を見てるだけだったから
入るのか?…入らないの?気になって仕方が無かった。
でも…彼女は暫く
ボードを持ったまま動かなかった。
やがて…
若いサーファー…年老いたサーファー
そしてビギナーや若い女性のサーファーと
自転車やバイクの横の専用キャリーにボードを積んでやってきて
砂浜から海へと入ってゆく。
波間はサーフボードに乗って
大きな波を待つサーファーたちで溢れてる。
でも…彼女は…
ボードを持ったまま…やっぱり動かない。
「ステファニーだな」
ぎょっ!
振り返ったらカフェのマスターだった。
ロコサーファーで真っ黒に日焼けした肌と胡麻塩の髭面が
いつのまにか後にいて彼女を見ながらそう言った。
「あいつは…本物のサーファーだからなガキみたいな波にはのらないのさ」
と…愛しい娘を見るように言った。

ステファニー。
名前が自然と口から微かに溢れた。
やがては…彼女は海に一度も入らず
海に背中を向けて砂丘の防風林の中に消えて行った。
そんな光景を僕は浜辺のカフェでテラスで
冷えたバドワイザーを飲みながら見ていた。
………………
………………
なんか…風が頬を撫でていい香りがした。
いつのまにか…音も無く彼女がやってきて僕の右隣に座った。
おおおおおっ!
微睡みが一瞬で吹っ飛びそうな
金髪が美しいモデルみたいな美人だった。
あ…ステファニー。
名前が自然と口から微かに溢れた。
着古したブルージーンを自分で切って
ビキニのようにしたアブナイ短パンを穿き
上には淡いペパーミントブルーのタンクトップを着た彼女は
誰もが振り返りそうな
Sラインが見事なSexyでとにかく素敵で目のやり場に困った。
彼女を見ていたら…昔聴いて好きだった歌を思い出した。
まるで夏に生まれた果実のような…たしか……
そうだ!レイラの♪サマーエンジェルだ。
まさにあの歌みたいな男を虜にしてしまいそうな女性だ。
ただ…歌と違うのは歌のイメージは黒髪ってことかな?
ハーフな美人の彼女は横顔も素敵だった
サラサラ柔らかい長い髪が絹のようにキラキラ風に揺れてる。
金と銀のハーフみたいな髪だ。
彼女は冷えて汗をかいたロンググラスのジンライムを
とても美味しそうに喉を動かして飲んでた。
唇から溢れたジンライムの水滴が落ちて胸の谷間に消えた。
エロいなぁ……。
ふたりは…風に吹かれながら
ただただ…海を見てた。

ふと…
さっきの事が気になったので
「海…入らなかったね」って言ったら
僕を見て?…な顔してる。
「海…入らなかったね…見てたんだ」
あああ…といい…また海を見ながらグラスを口に運んでる。
ごくん…と飲むと
「乗りたい波が…来そうになかったから」と小さな声で言った。
「ああ…なるほど……^^」
それっきり…会話が途切れて
僕も彼女もただただ…海を見ていた。
波の音以外に何も聞こえない
ある意味不思議な時間が心地よかった。
風に吹かれたPUFFYな長い髪が視界に入って心をくすぐる。
それでも
ふたりは…風に吹かれながら
ただただ…海を見てた。
波の音だけが繰り返し大きくなって浜辺に押し寄せては
すぐに砂浜を濡らしながら海へと引いてゆくと
波の音は小さくなった。
そんな単調だけと微妙に異なる繰り返しを堪能していた気がする。
そんな波音の間で
「……ようよ」って
真っ直ぐ海を見たまま彼女が言ったような……気がした。
ん?
「…………」
独り言か?
そしたら…しばらくして……また
喉を動かしてジンライムを飲んでから
「ねぇ………しようよ」って
相変わらず波に消されそうなほど
囁くような声で言った…気がした。
僕は彼女を見たけれど
彼女は横顔のままで海を見ていた。
IONAかよ!ってくらいに美しい横顔だ。
「…………」
やっぱりひとりごとか?……

そしたら
彼女がこちらを見て
無表情から…少しだけ微笑んだ
え?
「ねぇ…聞こえなかったの?それとも…
聞こえたけれど知らんふりなの?」と
ちょっと睨むように僕を見つめる。
「え?…僕に…言ったのかい?」
「そうよ…ここには私とあなたしかいないじゃない^^」
「ああ…たしかに…独り言かと思ったんだ」
「大きな声で…言えないからよ」
彼女の瞳は…目の前の海のようにブルーだった
吸い込まれ溺れそうなブルーだった。
「なんて……言ったんだい?」
「え?本当に聴こえなかったの?」
「ごめん…噓じゃないよ」
「も~~しょうがないなぁ」
そう言って組んでた長い脚を解き
椅子から降りて僕に近づいてきた。
恋人でもこんなに接近しないような至近距離で
僕の肩に手をおいた。
彼女の長い金髪がキラキラ風に舞って僕の頬をくすぐる。
まるでキスでもするような感じで顔を近づけて
僕の耳に息を吹きかけるように囁いたんだ
「えっち…しよ!…って言ったの」
ジンライムの香りがした。
僕を見つめる彼女の瞳は…目の前の海のようにブルーだった
吸い込まれ溺れそうなブルーだった。
そんな彼女の瞳に口を開けたマヌケな僕が映ってる。
「え?…」
相変わらずマヌケ面の僕。
「乗りたい波は来なかったけど……」
「……………」
「乗りたい…オトコが…見つかったから」と彼女。
「…………え?」
えっち……えっち…えっち…乗りたい…オトコ……
えええええ~~~~~~~~~~~~っ!!!!!
驚愕する僕。
彼女は…そんな僕を見て苦笑いしつつも頬を染めながら
椅子に戻りジンライムのグラスに口をつけた
そして…海と僕を見て…照れつつも
首を小さく左右に振って呆れた苦笑いをした。
そして…こう言った
「ヒ・ト・メ・ボ・レ」
頬を真っ赤に染めていた。

うっそ………
「え?…え?…な…なんて?」
唖然として頬を染めながら海を見てる彼女を見てたら
「だ~か~ら~彼女はアンタとヤリたいんだとさ」って
背後からしゃがれたムードをぶち壊すような男の声がした。
ぎょっ!
振り返ったらカフェのマスターだった。
胡麻塩の髭面がニヤニヤしてる。
汚らしい髭にはバドワイザーの泡がついていた。
髭にバドワイザーの泡…
遥か昔…グアムで見た光景だなぁ。
サトウキビの畑の横で
トラックの運転手がバドワイザー飲みながら
笑顔をくれたんだっけ!
飲酒運転じゃん…と思ったけれど
南国だからいいのかなぁ?…
マスターが彼女を見ながらも
「いいなぁ~あんな美人とヤレるなんて」
と僕を羨ましそうに見る。
「いやいや…違うから…そうのじゃないから」
「ヤッチまえよ!彼女も抱かれたがってるんだぜ」
おいおい!聞いてたのかよ!
そして……へ?いつの間にか…
マスターの顔がマイク真木にモーフィングしてて
ギターを持っていた。
そして何故か♪バラが咲いた…を唄い出すと
いいなぁ~!いいなぁ~!いいなぁ~!の大合唱になり
気がつくとカフェテラスの周りは
さっきまで海の中で波に揺られていた筈の
濡れたサーファーたちが僕ら3人を囲んでた。
彼女は…
綺麗な金髪をかきあげながら…
ずっと海だけ見つめるIONA状態だった。
濡れたサーファーたちは
サーフボードを右手に抱えて地面に叩きつけながら
いいなぁ~!いいなぁ~!えっちいいなぁ~!
いいなぁ~!いいなぁ~!えっちしたいなぁ~!
いいなぁ~!いいなぁ~!いいなぁ~!
うわぁっ~~~~~っ! なんじゃこりゃぁ~~!

あ。
一瞬でみんな…消えちまった!
「………………」目が覚めたんだ。
夢…か…
夢だよなぁ……
やっぱり…欲求不満なのかなぁ…
そんな性欲…ないけどなぁ……性能は未だあるけど…
しかし…ステファニー可愛かったなぁ……
ステファニーとえっち……いいなぁ……
せめて…えっちしてから覚めたかったなぁ^^